想いを繋ぎ、北海道余市から世界へ誇れるワインを
『日本の農山漁村にある豊かな自然や、あふれる資源を貴重な財産として守り、美味しくて安心安全なものを自分たちの手で一から造り届け、農家の方々が長い歴史のなかで守り育ててきた知恵と技術を引き継ぎ、新たな担い手の育成や地域の活性化に一緒に取り組んでいく』という想いのもと、キャメルファームワイナリーは設立された。
ワイン造りの地として選ばれたのは北緯43度、眼下に日本海を望み、三方を山に囲まれた北海道余市町登地区。ワイン用ブドウ栽培の適地として注目されている。南北にまっすぐ貫く登川が開いた谷状の地形の土地で40年に渡りワイン用ブドウの栽培を行い、品質の高さで評価を受けてきた藤本毅氏よりその技術と知恵を受け継ぎ2014年栽培をスタート。16.2ヘクタールの畑にケルナー、シャルドネ、バッカス、ブラウフレンキッシュ(レンベルガー)、ピノ・ノワール、レジェント、ツヴァイゲルトなど10種類を栽培。この栽培から醸造に至るまで、世界的醸造家であるリカルド・コタレッラ氏が深く携わっている。
コタレッラ氏とは、環境や人へのサポート活動を通じて出会いがあった。「日本特有の自然の恵みを世界に発信しようと思うなら、世界に誇れるワインを造ってみてはどうだろう。ワインを通して日本の自然の素晴らしさを伝えられないだろうか。そしてそれが地域を活性化することにならないだろうか」。その想いに共感したコタレッラ氏の協力のもとキャメルファームワイナリー設立へと動き出した。
2017年、畑に隣接するワイナリーが新設され、山梨やイタリアのワイナリーで研鑽を積んだスタッフの手により醸造を開始。そして2018年秋、ブドウの木が雪の下で冬を越す冷涼な土地から、ワインを初リリース。栽培チームが可能な限り農薬を使用せず、徹底した栽培管理で育ったブドウを全て手摘みにて収穫し、丁寧に選果を行う。隣接する醸造所に運ばれたブドウは、イタリアの銘醸地、エミリア・ロマーニャのサン・パトリニャーノで醸造長を務めたアンジェロ・トータロ氏を中心とした醸造チームが引き継ぎ、最新の技術と設備を駆使し、余市のテロワールを最大限に活かしたワイン造りを行っている。2019年にはイタリアの醸造家、ワイン業界関係者、ジャーナリストが一同に会する「イタリア醸造家連盟総会」にてキャメルファームワイナリーが紹介され、世界に向けての一歩を踏み出した。また、コタレッラ氏がイタリアで進めるプロジェクト※WRT(Wine Research Team)の一員にも名を連ねる。ベルリン・インターナショナル・ワイン・コンペティション2019にて「Japan Winery of The Year」を受賞するなど、国内に止まらず、既に世界からも熱い眼差しが向けられている。
※WRT(Wine Research Team)
科学的なリサーチから、次世代へ続く健康的で高品質なワインを造ることを目的としたプロジェクト。